断熱材について
Q. 結露対策として通気工法＋高性能グラスウールで対応したいのですがいかがでしょうか？予算の都合で土壁や自然素材系の断熱材は難しいのですが。。。また、グラスウール以外に価格の手頃なお勧めな材料はないでしょうか？
A. ご連絡ありがとうございます。
断熱材に関して、他の方にもご参考にできるようにFAQでお返事をさせて頂きます。
断熱材は、様々な種類のものがあります。その中でどれが良くて、どれが悪いとは言い難いですね。
天井裏、壁面と隙間無く断熱材を充填させます。ここで、注意をしないといけないことが、気密が高いと換気効率が悪くなるので、セントラル空調システムなどを設置して室内環境を快適にする必要が出てきます。更に工事費がかかることになります。
高性能グラスウールは、熱の伝わりにくさは通常のものより、かなりランクが良いものです。
施工をきっちりと行えば結露対策になると思います。
また、冬場の結露対策も重要ですが夏場も逆転結露というものがありますので注意をしてください。
結露対策としては、工法や地域性などから選択しなければなりません。断熱性能も必要ですが、内部の素材そのもので結露を防止できるような、調湿性のある珪藻土であったり漆喰などで対応することも考えれると思います。
まずは、断熱材の種類により、建物の形、室内環境に大きい影響がありますので、
総合的に考える必要があります。下記にいくつかの断熱材を比較してみました。
外断熱に関して：
・スタイロホーム外断熱+サイディング：
利点:
・お家の上にオーバーコートをかけるのと同じ間隔で、効率は高く、室内の温度を
守りつつ、躯体内も激しい温度/湿度の変化はないので長持ちします。
欠点:
・スタイロホームは暖かいので、シロアリは巣を作りたがる。また、柔らかい
のでシロアリは簡単に取りぬけて、高い位置の構造材（防腐剤が塗ってないと
ころ）までにたどり着きます。
・または、サイディングを使うと建物の角部、斜めの面には、コストの高い/見栄えが悪く
なりがちな役物が必要になります。Ｒ面などモジュール外の壁は作りにくいので間取りの
自由度は、限られてしまいます。
・スタイロホーム外断熱+塗り壁：
利点:
上記と同じ
デメリット：上記と比べると、サイディングでの限界はありませんが、壁は丸ご
と下地組みを２回作ることになりますので高価格になります。
グラスウールに関して：
・グラスウールは、木造の建物で一番一般的な断熱方法です。
関西では壁内厚み100mm、天井裏厚み200mmの16Kg/m2の仕様をお勧めしております。
山手、日本海側の場合（寒冷地）においては、24Kgの物を使用しています。
利点:
・低価格で、断熱性、耐久性は良いです。
大工さんが設置できる物なので使い易いです。断熱を柱間に入れてからでも電気配線
の調整/追加が出来ますので便利です。
欠点:
・高冷地（東北、北海道）では断熱容量が足りませんので厚みを増やすか別の材料で
対応をする必要があります。この場合、高性能グラスウールなどで対応すると良いです。
セルロイスファイバー：
・自然系で環境を重視した断熱材です。
利点:
・シックハウス症候群の方にも安全性が認められている。吸放湿性が適度な湿度があるため結露が発生しにくいです。防火性のにも安心。水分を弾く（撥水）処理がしているので雨漏りにも安心です。
欠点:
・価格もグラスウールより３倍程度高くなります。
施工レベルでの欠点が主になります。施工中のほこりがかなり舞います。また、施工状態によっては断熱材が沈下することもあります。もちろん、沈下して隙間が出来れば断熱効果はゼロになります。
吹きつけ断熱（発砲ウレタン）：
・家全体に発砲フォームを吹付ける画期的な工法で性能重視した断熱材です。
・次の『アイシネン』http://www.icynene.jp/というメーカーの発泡性の断熱材も気密性が良くお勧めだと思います。
利点:
・価格はおおよそ4000円／㎡から5000円／㎡なので使いやすいです。優れた断熱性と気密性をもっています。
欠点:
大きな欠点は目立ってありません。施工して硬化後に変更などでコンセントボックスを設置するために断熱材を剥すことができないなどの欠点があります。
