最近シックハウスの問題が関心を集めています。ホルムアルデヒドやトルエン・キシレンなどの有害成分が、入居者の健康を害する問題です。ひどいときには入居者が化学成分過敏症などになって、ほんの少しの有害物質にも反応してしまうようになり、引っ越したり家を建て替えたりすることまであります。
もちろん私たち建築に携わるものは、十分それを考慮して、合板などは☆☆☆☆(フォースター)という、大変ホルムアルデヒドの少ないものを選んだり、クロスの接着剤は全くホルムアルデヒドを含まないもの、フローリングは無垢材、と言う風にしています。
でも油断大敵、どこに潜んでいるかわかりません。例えば無垢材のフローリングは接着剤など全く使用していないので安心だと思っていても、船で運ぶときに防腐剤をたっぷり振りかけていたりすることもあり、日本に入ってからは検査もされずに安心だと信じられて使っていたりします。また、家具屋さんもはがれなどのクレームを恐れて強い接着剤を使っていることがあります。
また、竣工後、換気をしないで締めっきりにしていたりすると、少しずつでもホルムアルデヒドが空気中に発散され、1ヶ月もすると基準値をオーバーすることだってあります。そこへ引っ越したら大変。
この対策として、特殊な薬液(天然成分だけでできている)を吹きつけ、有害物質を分解してしまう方法があります。確かに効果があります。一週間で半分以下になるほどです。効果は半永久的なものなので、有害物質は時間がたつほどに少なくなります。
もちろんこれは対症療法のようなもので、根本の原因を究明することが大事ですが、これがなかなか大変。一つ一つの建材を試験機関に調べてもらうのは大変手間とお金のかかることです。でも時間を掛けてでも本当に安全な建材を見極めていかなければなりません。
それと竣工後の室内空気の検査は、やっぱりお勧めです。
あと、換気は良くしましょうね。建築基準法では24時間中の換気を義務ずけています。