
スキーで有名な長野県白馬村で既存旅館に焼肉レストラン棟の増築を含む増改築工事を行いました。
白馬龍神温泉 (ホームページ)
焼肉 松山 (ホームページ)
構造・規模: 木造 地上2階建
用途 : 旅館・公衆浴場
面積 : 延べ面積 904.74㎡
(既存698.78㎡ + 洗面室棟増築25.98㎡ + 焼肉レストラン棟増築179.97㎡)
エントランスの様子
こちらの旅館の今までの客層は団体向けで、安い宿として使用されていました。
新しいプロジェクトでは、部屋数が少ないために宿泊業はサブ的に行って、メインの業務は日帰り温泉に方向転換、
枯れた温泉を掘りなおして、露天エリアを整備しました。
また、焼肉レストラン棟を増築しました。
場所は道の駅の裏で便利なところですが、近くに食事ができるところは少なく、特に繁忙期の冬の季節はお肉料理大好きの外国人の観光客に対応をしたいという計画です。
焼肉レストラン棟 増築
写真右側の既存旅館(2階建て)の母屋の左側の平屋の焼肉レストラン棟を増築しました。
既存母屋屋根から落ちる雪のことを考えると、陸屋根という形でしか対応できなかったのですが、
写真手前の既存屋根と干渉しないメインファサード部分だけ切妻屋根とし、母屋と合わせました。
入口前の庇は、枝付きの丸太で支えて自然な気持ちでお客さんをお迎えします。
焼肉レストラン
焼肉レストランでは、七輪を使う予定でしたが、繁忙期のオペレーションを考えて、無煙ロースターを使用しました。
ダクトと換気設備は基本的に屋外ですが、雪の重さで壊れないように庇を作っています。
また、窓と窓の間に這わせているので室内から機器は全く見えません。
焼肉レストランのホール
約5mスパンの木造の軸組みを袖壁で補強しています。このスパンに、ちょうど4人用のテーブルが3列入りますので、使い勝手がよいです。
袖壁の様子を柔らかくしつつ、次のブロックの席との目隠しになるように、各柱をルーバー状に配置しました。
左側は、窓のある壁と無煙ロースターの設備があります。右側の壁は、アクセントクロス張りです。
店内の様子
レストランの奥の方、入口に向かって見る角度には、左側に作業用のカウンタースペースとトイレがあります。
ベンチの中
テーブルの無煙ロースターの換気ダクトは床下に下りて床下を通り、ベンチの中で立ち上がり、外壁を貫通し屋外機器へと接続しています。
ダクトスペースとして、利用していないベンチの部分は開くことができますので、料理の匂いがつかないようにコートやカバンの収納できます。
座敷の部屋
母屋の食堂と増築した焼肉レストランのどちら側からでも使える座敷の部屋です。
色がついたクロスで腰張りのデザインをしています。モダンな和紙調のクロスにネズミ色、墨色のアクセントを加えて、渋い和室が仕上がりました。
準備室
日帰り温泉のお客さんにも便利にご利用いただけるように、既存の食堂と焼肉レストランを通路で繋げました。
渡り廊下と並行した場所には、準備室があります。このスペースは食堂の厨房とも、屋外と焼肉レストランのホールとも繋がっているので、
多様なシチュエーションに対応できて、とても便利な裏導線になっています。
男子洗面室
既存母屋の日帰り温泉の更衣室は狭かったため、洗面の部分をロッカー仕様にして洗面室を新たに増築しました。
手洗いのボールに合わせて、入口側の袖壁を緑のアクセントクロスで仕上げました。
女子洗面室
男子と同じく、建物の反対側に広い女子用の洗面スペースを増築しました。
手洗いは2つ、ドライヤー用のスペースは9人用になっています。
桧風呂
浴室と露天風呂の風除室を、冷っとしないデッキ材で仕上げて、桧の水風呂を設置しました。
露天スペース
ハイシーズンである冬場には、雪で埋もれてしまう露天スペース。植物は除雪の時に邪魔になるので植えませんでした。
砂利で仕上げていたスペースは雑草だらけでしたので、雨水処理のルートを作って、土間に那智石埋め込みのデザインで仕上げました。