相見積で家を建ててみませんか?
よくこんなご意見をお聞きします。
「設計事務所に家づくりを依頼すると、高いんじゃないの?」
答えは「NO」です。
実は、設計事務所と家づくりをすれば、入札をすることで、一番安くて、なおかつ一番信頼ができる工務店を選ぶことができるのです。
ハウスメーカーでも何社か見積りを取ることはできます。でも、仕様、価格設定、オプションが違うので比較が難しいのです。
スタジオドディチのやり方は、先ず実施図面をまとめる。そして、施主様と予算、希望、好みをお聞きしながら無駄のない、ぴったりフィットする家を設計します。設計のプロセス(プレゼン、基本設計、実施設計)には、早ければ2か月、長い場合で1年以上、平均すると、だいたい3か月ぐらいかかります。実施設計が完了すれば、設計図書が出来上がります。この本に建物を作るための情報は全て入ってます。
(詳しくは、設計図書の内容をこちらでご確認ください)
続いて、工務店を4、5社に声をかけます。私たちのネットワークからも紹介ができますし、もちろんお客様のお知り合い、銀行さんの紹介、現場周辺の工務店に参加してもらうことも可能です。
そして、もっとたくさんの工務店、例えば10社にでも参加してもらうことは可能ですが、実はこれは逆効果です。なぜならば工務店が下請けや建材メーカーから見積もりを取る際に、非常に沢山の業者が参加していると、情報が漏れ、この時点で優良な業者ほど手を引いてしまいます。やはり5社までがフェアで、十分納得できる比較が可能だと私たちは考えています。
「入札って何ですか?」
設計事務所で家づくりをすると、設計事務所が作成する設計図書を基に見積もりをとることができます。図面に細かく仕上げ材のメーカー、品番が記載してありますので、工務店は全く同じ条件で見積りをします。(もちろん、施工前にお客様に再確認を取りますので材料を選び直すことも可能です。この時見積もり金額から増減での調整となります)。
設計図書には、建物全体の収まりの詳細を記してありますので、工務店は安心して「ここまで決まっているんだ!」と予備費用を入れず原価を見積もります。つまり、ここでも、コストダウンが図れるのです。
各工務店の下に複数の業者があります。タイル屋さん、クロス屋さん、水道屋さん、電気屋さんなどが、チームとして、他社工務店と競争をします。戦いのイメージは強すぎるかもしれませんがお客様としてみれば、勝ち抜いた工務店を選びたいですね。
入札の期間は約3週間です。締切日までに、工務店の会社案内・実績表と共に見積もりが弊社に届きます。ここで重要なのが、どの見積もりは選べば良いかということですね。
例えば、総金額の一番安い業者を選ぶという基準があります。
また一番安い業者と、一番高い業者を除いて、残りの2、3社と打ち合わせ・調整をするという考え方もあります。
では、スタジオドディチならどうするか。
先ず見積もりを細かく分析します。エクセルで各工務店の工事項目を横並びで比較するとともに、抜け落ちがないか確認します。見積もりの作り方を見るだけでも、「やる気」、「真面目さ」、「協力業者との絆」、「自信があるかないか」など、様々なことが分かります。
材料の平米の単価もピックアップをしながら比較します。
例えば、上記の見積もり書で本体工事の見積もり内容を具体的に見てみましょう。
A社: 54,600,000
B社: 67,200,000
C社: 49,350,000
D社: 65,100,000
E社: 89,250,000
「どうしてこんなに開きがあるの」
と、思われるかもしれません。
一番高いのは、恐らく中堅ゼネコンの下請けの工務店の丸投げ工事です(ハウスメーカーのパターンです)。
それでも残りの4社の最安/最高の開きは1000万円以上ですよ!
細かい項目をチェックして、異常に安い項目を青色でマーク、逆に高い項目を赤色でマークし、工務店に電話をして、その理由を探ります。
実は、相見積もりには、嬉しい事もあります。各工務店が得意としている工事も安く見積もることができます。自社で左官職人を抱えている工務店は他社より安いはずですし、しかも、経験があり、焦らずに必要な時間をかけて綺麗に仕上げてくれるはずです。安い理由があって、納得出来れば、当然一番安い見積もりを選んでお客様にご説明します。
でも、一番相応しい業者の見積りにも必ず弱点はあります。ですから、もちろん契約をするまでに100%納得できる見積もりに持っていきます。
例えば:
例1> 「作り付け家具の値段が高くて下請け任せな感じ」⇒ スタジオドディチが工務店に優秀な家具屋さんを紹介します。門扉・外構工事等も同じことです。
例2> 工務店の得意としている仕入れルートを確認し、同等品であれば工務店の希望に合わせて図面を調整します。例えばユニットバス、アルミサッシなど、こだわりを抑えて、最適化してもいい部分があれば、お客様のご要望をお聞きして、工務店の意見を取り入れます。
当然のことながら、それぞれのプロジェクトによって判断の基準は違ってきます。例えば全館空調のある家があれば、太陽光発電パネル、免震ダンパー、屋外プールのある家など、それぞれに優先順位は異なります。また、工事期間を工務店と協議した上で調整できればコスト削減につながるケースもありますので、スケジュールの調整を可能な限り行います。