自動ドアの裏話

イタリア館のワークスで少し触れていた、自動ドアのお話をここでシェアできたらと思います。
幅1.2m 高さ 4m 重量 250Kg のパネルはピボットヒンジにより回転します。
閉じたときに、投影用のスクリーンになり、開けたら、扉として、来場者を前室からメイン展示室へ誘導します。
元々、床埋め込みのモーターで回転させる予定でしたが、安全性、耐久性、施工性の面で、満足できる候補が見つからなかったので、一旦手動式に変更しました。
しかし、開幕の1か月前に・・・やはり電気式じゃないとダメ!とイタリア政府から命令が入りました💧
他の予定を全部キャンセルをして、緊急に研究を始めました。
「サーボモーター」であれば (ロボットで使われている物) システムが組めるとわかったので、日本の超大手の「山陽電機」(電化製品のメーカーと関係ない)に連絡しました。
4期だけなので。。。最初は断られてた上で、ご丁寧に競争相手の会社を紹介いただきました💧
くどくお願いしたら、協力体制を組んでもらえました!
なお、サーボモーターはあっても、一番難しいのは「メカ」です。
今回は金属製のアームを使って、各扉を引いたり、押したりする必要がありますが、力を加えると同時に、扉が動くので、スライドレール、ベアリング、カプリングそしてギアが必要です。
幸い浜松のハーモテックに別注で設計と金物の制作をして頂きました。
最後のハードルはモーターのプログラミングです。
基本的に、数値での入力、スタート地点、エンド地点、速度、圧力、負荷等が必要な電流の入力が必要です。その上で、微妙な力加減、金物の摩擦によって1枚・1枚の設定が必要になります。
ロボット用のソフトウエア開発の会社15社に連絡をしましたが、やはり「企画、チーム組の時間さえ無い」とか「ソフトウエア単独での対応が難しい」などの理由で断り続けられていました💧
その時に意外な発想で、大学生の息子(しかも文系。。。)に相談してみたら:「できると思う」と言ってくれました!
2回山陽電機のエンジニア達に指導を受けて、取付工事の2日に同行をしてもらって、設定を行いました!
今は、毎日100回以上扉が開け閉めをして、来場者を展示室へ誘導します。
前室でのプレゼン動画の終わりごろに、不思議とスクリーンが回転しだして、印象的なトリックで展示室の奥行が表れて、来場者が拍手をすると、設計者として、お父さんとして、ダブルで心が爆発しそう!