イタリア館のうらばなし-5-

バチカンパビリオンの中のカラバッジョ作”キリストの埋葬”は、イタリア館の中でも特に注目されている展示の1つであることは、万博ファンであれば既に多くの方に周知されている事かと思います。
普段はバチカン美術館のとても高いところに展示されており、下から見上げる形で見物するスタイルです。
しかし万博では同じ目線で見る事ができるので、その点がまたイタリア館でこの絵画を見るという価値につながりますね。
こちらの絵画の中では青い服の女性がマリアとして描かれています。マリアは通常、若年時の姿で描かれる事が多いのですが、リアリストなカラバッジョはマリアをキリストが亡くなった年齢に合わせた姿で描いて表現している事が特徴的です。
また、少し視点を下にずらして下から見上げる形で作品を見ると、石がトリックアートのように立体的に感じられる技法で描かれている事にも注目です。
この絵の中で描かれている2人の男性は共に罪人で、信者ではない茶色の服をまとった男性は、上半身と比べると軽いはずの脚を抱えて苦しそうな表情を浮かべていますが、信者であるの緑の色の服の男性は、キリストの重みを特に感じやすい上半身を抱えているにも関わらずもう1人とは対照的な表情です。
信じることによって自分の身に起こる出来事に対する捉え方が大きく変わる、という含みも持たせた絵画となっています。
イタリア館のワークスも要チェックです🍕