ホテル

「ワンストップ」の設計図書

コスト・パフォーマンスを良くするため、プレゼン、基本設計、実施設計、現場管理用施工図、という設計手順を再構成します。例えばプレゼンと施工図を一体化し同じフォーマットで管理することで、別々に管理する時間を短縮でき、変更も迅速に行われます。同時に、ホテルオーナーと施工者が同じ図面を元に判断できるため、イメージが共有されて齟齬が少なくなるというメリットがあります。提案と指示書を一緒の図面にまとめることによって、まさに「一石二鳥」の効果を得られます!

トリーニ・ヤコポ ホテルデザインのルーツ

iacopoトリーニヤコポはイタリアトリノで生まれ育ちました。実家は設計事務所で子供の時から、実測を手伝ったり、サンプルで遊んだりしていました。母親 (Silvana Giovannini) は30年間以上トリノの老舗ホテルの顧問デザイナーでしたのでトレンドの調査と兼ねてヨーロッパの有名なホテルを数多く見学しました。

ホテルデザインのルーツ

ホテルのデザインを手がけて集客に貢献

大学卒業後に、2 年間ニューヨークの設計事務所に勤めてから1998年に来日して、主に住宅や別荘の設計を行っておりました。
2014年、あるホテル会社からお声掛けいただいて、ビジネスホテルやファミリー向けのリゾートホテルの合計4件のプロジェクトのお手伝いをいたしました。(奄美大島、釧路、宮崎、大分)

結果、ホテルの稼働率が30%~50%から、90%~100%へと飛躍的にアップし、わずか1・2か月で人気ホテルになりました。
もちろん、プロジェクトが成功を収めた最大の理由は、ホテルの豊富な経験によるマーケティング面、オペレーション面での改善だったと思います。
その一方、器づくりの面で、 コストが安くて豪華に演出できるインテリア、また、ターゲット層にマッチングするロビーのデザインが有利に働いたと思います。

さらにインターネットで部屋を販売されるホテルにとって、 デザインの第一印象は大切ですし、ブランドイメージを強調して、ブランディングでの好循環を促進する効果も大きかったと思います。
また、「インバウンド」対策の話が話題になっている中で外国人の考え方が理解できるのでお手伝いが出来ると存じます。

Case 1奄美大島のホテル

奄美大島のホテル

奄美大島のプロジェクトは築40 年の本館、別棟の建物3 棟があり、合計63 部屋のホテルです。建てた当時から改装されてなかったのでかなり寂れた雰囲気でした。
ターゲットの市場はファミリー、女子友、魚釣り好き(男性)。販売チャンネルとしては、インターネットはメインになりますので、内装デザインに水色、ターコイズ、砂色を取り入れながら南の島の綺麗な海をアピールしました。

プレゼン&施工図

弱点の修正、ブランディングの強調を中心とした22 ポイントの目標を決めて、エリア毎に図面を分けました(全体の平面図は証明器具の配置図のためだけ作成しました。)
図面としては、現状の写真にスケッチを重ねて、載せました。その廻り、仕上げ材のスオッチ、家具や照明器具の写真、アクセサリーや金具の選定をしました。また、文書で設計の意図を説明して、おまけにロゴマークのデザインをしました。
この図面は正しくプレゼン図の役割を果たしながら1 枚で具体的な指示図になりましたので施工者にとっても分かり易かったそうです。

プレゼン&施工図

ビフォー / アフター

Case 2釧路のビジネスホテル

釧路のホテル

ほぼ同時に釧路、宮崎、大分のビジネスホテルの改装工事を行いました。ホテルオーナーの意図は、地域性よりも目標のブランドイメージを発展させることは重要です。
「新規オープン」の切っ掛けを生かせて、ホテルのチェン全体での統一感と個性を強調する切っ掛けとして、ファッションのドルチェ&ガッバナのような「ちょい悪」のイメージを作りました。
釧路のプロジェクトは駅の近状です。マンションに見える8階建てのビルに48 部屋が有ります。モノトーン「ちょい悪」のイメージと言いながら、やはり寒い地域ですのでオレンジのアクセント色を加えました。
改装前は1 階のロビーは天井が低い上で、三つの空間に分離されていた(フロント、バー、座敷食堂)、とても狭い雰囲気でした。

立面図

また、入口の正面にトイレがあり、自動販売機はエレベターのドアに越境をしていた:わざとみたい悪印象を与えていたので回転率は何と30%台でした。改装工事で外観にも、室内にもアクセントとして黒いパンチング加工の波板を使用し、太い柱のインパクトを抑えます。
壁を撤去し、遠近感を演出するために天井に格子や関節照明を加えて、広々で温かいロビーになりました。フロントの家具を再利用し、仕上げ材の張替だけでもガラッと雰囲気を変えました。ロビーのカウンター、暖炉、家具は既製品を細工して利用しました。
客室に関して、再利用の家具に調和を通りながら梁の圧迫感、部屋の不揃い形を修正するためにレイアウトを変えたり、壁や天井の色でアクセントを付けたりしました。

ビフォー / アフター

Case 3那覇の宿泊施設

那覇の宿泊施設

2016 年に別のホテル会社を紹介され、那覇市内で事務所ビルを簡易宿泊施設を変更した上でスケルトンリフォームをデザインさせて頂きました。若い年齢層のお客様にアピールをして、アクセントでの色使い、そして海をテーマで共用部をデザインしました。
客室の階は部屋数、動線を効率的にレイアウトをした上で、国際通を見下ろす休憩エリアが作りました。
イメージとしては少しビンテージ、流木の色合を創造しながらコーディネートをしました。
設計のプロセスとしては、スケッチアップを使って同時に検討図、プレゼン図、支持図を作りました。
現在同じホテルさん経営の白馬村の日帰り温泉にレストランを増築しているところです。

ホテルの再生・リノベーション

トリーニは厳しい個人邸の市場において、お客様にご満足いただける建物を創っており、この知識はホスピタリティー業界では特徴になっていることが分かりました。
短期の「住まい」でありながら「ブランディング」を磨きながら集客が出来るホテルの世界はとても魅力的だと感じています。
ホテルの再生、増築、新築にもっと関わりたいという思いがあり、ご案内をさせて頂きました。

リノベーション